HSPと仕事

HSPの適職という考え方は危険!向いている仕事&向いていない仕事の見分け方!

こんにちは!Keiです。

私はキャリアコンサルタント(国家資格)を取得し、私自身がHSPとして苦労してきた経験を経て、現在は就職支援の仕事をしています。

HSPさんは仕事選びで苦労する事が多いです。

HSPについて、「向いている仕事」「向いていない仕事」「適職」など、様々なキーワードと共に検索されているようですが、果たして本当にこの考え方で自分に合った仕事は見つかるのでしょうか?

日々様々な方の就職相談に乗って実際に感じた事を
HSPの適職という考え方は危険!向いている仕事&向いていない仕事の見分け方!と題して書いていきたいと思います。

HSPに向いている・向いていない仕事とは

HSPの気質を持つ方は仕事(特に入社直後や異動直後など)で苦労する事が多いように感じます。

その為、「HSP 適職」や、「HSP 向いている仕事」などを検索窓に打ち込むと『HSPに向いている仕事30選!』など書かれたサイトが多く見られます。

ですが、私はHSPの「適職」という考え方に対して疑問を感じています。

もちろんある程度参考にはなると思います。
しかし、書かれている職業が自分に向いていると鵜呑みにするのはとても危険です。

HSPで医療職を選ぶ人は多いが…

例えば、HSPにお勧めの職業として、医療職、その中でも看護師がよく挙げられています。

HSPは「人の役に立ちたい」という思いが強い人が多いので、職業に医療職(看護師など)を選ぶ人が多いというのはわかります。

ですが、病院は人の死など、日常的に多くの悲しみに触れます。
また、看護師は圧倒的に女性が多く、派閥や人間関係に悩む人も多い為、感受性や共感力の強いHSPにとってかなり強いストレスになる可能性があります。

その為、HSPは医療職(看護師)に就く人が多い=(イコール)その仕事が向いていると考えるのは危険なのです。

適職の選び方

では、HSPは医療職に向いていないのかというと…そうでもありません。

またまた例に看護師を出しますが、看護師の職場である病院は、「急性期」「回復期」「慢性期」に分かれます。

  • 「急性期」とは、命の危機にある患者さんや、重症患者さん、手術直後の患者さんを看護することがメインの病院。
  • 「回復期」は、急性期から抜け出した患者さんの身体機能の回復を図る時期です。日常生活動作の改善を目指して、チームでリハビリをしていくのがメイン。
  • 「慢性期」は、病気とともに生きていく患者さんのケアを行うのがメイン。

突発的な出来事に焦りやすく、刺激に敏感なHSPにとって「急性期」の病院は辛いと感じるかもしれません。

しかし、相手の心に共感し、細やかな配慮ができるHSPにとって「回復期」や「慢性期」の病院は合っていると感じる可能性もあります。

どう感じるかは人それぞれ違います。
(HSPに「急性期病院は合わない」と言っている訳ではありません)

ここでお伝えしたいのは、同じ病院という括りでも、「病院だからHSPに向いている」と安直に考えるのではなく、就職先を細分化して考える必要があるという事なのです。

看護師という「業種」だけでなく、その業種で自分が実際に働く時はどういう風に働く事になるのか、できるだけリアルにイメージしてみる事をお勧めします。

他にも、疲れやすいHSPさんの中には夜勤を辛く感じる方もいます。
そんな方は、仕事内容だけでなく、日勤だけの病院や休日が多い病院など、働き方を仕事探しの条件に入れることも大切ですね。

「企業分析」「自己分析」の両輪で考える

これまでHSPの就職に関して、医療職(看護師)で説明してきましたが
就職活動は医療職に限らず、どの業界でも「企業分析」「自己分析」の両輪で進めなければなりません。

【企業分析】

  • 会社が何を求めているのか
  • どんな顧客(病院なら患者)をターゲットにしているのか
  • 競合他社(同じような病院)はないか
  • 給与・福利厚生・休暇・教育制度
  • その会社の実際の雰囲気

【自己分析】

  • どのように働きたいのか
  • 自分がその会社で何をしたいのか
  • 長所・短所
  • 実際に働いた際のイメージ(給与や勤務をシュミレーションしてみる)

HSPは非HSPに比べ、就職活動にとても時間がかかります。
それは、良くも悪くもHSPの性質上、物事を深く深く考えてしまうからです。

また、HSPは環境感受性とも言われています。

自分にあった環境で働く事ができれば人一倍能力を発揮する事ができますし
合わない環境なら人一倍ポンコツになります^^;

ですので、企業分析も自己分析も徹底的に行う必要があります。

ちなみに、ちょっと話は変わりますが…
面接HSPさんは面接でも苦労しがちです。

HSPさんでない方の中には、なんとなくその場の雰囲気に合わせてスラスラ喋る事ができる人がいますが、そういう人と自分はタイプが違うのだと割りきって、しっかり自分のペースで就職活動を進めていきましょう。

詳しくはこちらの記事に書いています↓↓

実際の雰囲気を確認する事も大切

また、五感が優れているHSPさんは、実際に自分が就職を考えている会社に行ってみて雰囲気を確かめるという事も大切です。
(グループ企業で多くの支店がある場合、できるだけ自分の配属されるであろう店に行ってみると良いですね)

HSPはよく「第一印象は当たっている事が多い」と言われます。

もちろん外れる事もありますが、五感に優れているHSPさんの直感はバカにできません。

ただ、多くの情報量が一気に入ってきて言語化するのが苦手なHSPさんは、人に説明しようとすると

『なんとなくこの会社に入社したくて…』

と、人を納得できるような説明ができない場合も多いです。
(ただし、この「なんとなく」という言葉の中に多くの情報量が含まれているという事を非HSPさんは知りません)

ですので、例え言語化できず他人に理解してもらえなくても、自分が感じた「なんとなく」という感覚は大切にして下さいね。(勿論、企業分析で得た客観的事実も大切ですが。)

企業分析・自己分析をしっかりおこなった上で、見学時に感じた「なんとなく」の感覚を大切にしながら就職先を決めると、ギャップは少ないと思います。

また、HSPは物事を深く考えます。
その為、スピード感を求められたり、常に焦らされて自分のペースを乱される職場は、ある程度慣れてくるまで大変ではないかと思います。

しかし仕事に慣れてくると、細やかなことに気づけるHSPはとても重宝される事が多いと思います。

長く同じ仕事を続ける事ができたHSPは、例えどんな職場を選んでも『これが自分の適職だ』と思うようになるかもしれません。

ただ、職場によっては慣れるまで評価を待ってくれず、自分のペースを守れずにストレスを抱えてしまう事があります。

ですので、自分のペースを守れる、ある程度自由な会社というのも大切なのではないかと個人的には思います。

まとめ

いかがでしたか?

HSPの方は、一人ひとり感覚が違いますし、仕事に求める物も違います。

ですので、どうか「適職」という言葉に安易にまとめてしまわず、自分が選ぶ(選んだ)職業について細かく調べてみてください。

「自分にどう合っているのか」「どういったところで自分の特性が生かせそうか」「提示されている条件や勤務体系で無理なく働けそうか」また「職場の雰囲気はあっているか」など分析を徹底的に行う必要があります。

HSPは、HSPでない人に比べ、損な性格だと思うかもしれません。

しかし、上述したようにHSPは大器晩成型が多いです。

努力を続けているうちに、いつの間にか周りの人たちを追い抜いている事も多いという事も覚えておいてくださいね(^^)

ただし、あまりにも自分に合わないと感じる職場で無理に努力し続ける事はお勧めしません。
HSPは才能でもなく欠点でもなく、あくまで「気質」です。
あまりにも仕事が辛いという場合は「HSPだから」という理由ではなく、心身症など治療を必要とする病気を発症している可能性があります。

この辺の見極めは難しい所ですが…
自分が「耐え難いほど辛い」という場合は一度専門家に相談する事をお勧めします。

この記事が、少しでもどなたかの参考になれば幸いです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました(^^)